191/七誌 透き通った空気は 夜空を映す 駅前、19時の陽は沈み 到着をまつ 不安になったとしても 今でもすぐわかるから ひとりで耐える 時間は長く 退屈に過ぎる ぬるい9月の夜 予定時刻を過ぎて 車が止まる 変わらない懐かしいその声は あの頃のまま たわいない会話でも 本当は全部分かっている 取り残されてる あの日の自分 言葉にしなければ 全部腐ってしまう 僕たちは走る国道沿い 過ぎ去った日々に泣いて笑って そう今はもう戻れない場所だと知っても 思い出す あの日に残した影 探してる 少し重い空気が ガラスに映る 潰れて壊れてしまう前に その場所に着く 懐かしい声に囲まれ 楽しそうな笑い声 誰もそれぞれに今を生きてる 立ち止まっているのは 僕だけだ 何も無い暗闇のなか そう、すべての時が止まったようで たださざ波が寄せては還る 音が響く 変わらずに 灯りのない街と 夜は眠る 悲しみや痛みを感じぬ ように 生きてきたから 不器用な腕で もがき続けてる なくしたものを 取り戻すように 僕たちは走る国道沿い 過ぎ去った日々に泣いて笑って そう今はもう戻れない場所だと知っても 涙する あの日 取り残された僕は 今に生きるため 夜を越える